イニスの里

西の大陸 を南北に寸断するマートル山脈の一角にある、巨大なカルデラに作られた里。
中央にそびえ立つ大樹には、結界を維持する イニス の王《 ゼファー 》が住む。
イニスたちの住処は様々で、樹に巣を作る者もいれば、岩場に穴を掘る者、土壁を使う者なども居る。
種によって定められている厳しい階級制度があり、身分の低い者には侵入できない区域が多い。
 
異階級同士のイニスから生まれたイニスは「 雑種 」と呼ばれ、通常のイニスと比べて非常に短命で個体の能力や 魔力 もイニスとしては極端に低く(それでもヒト族と比べると非常に優れている)、体に何かしらの欠陥がある場合が多い。
階級を跨いで子を成すことは禁忌とされており、神話時代は孵化する前に処分されていたが、 孔雀 の代になってからは処分は禁止され、階級制度の最下位に居場所を得た。
 
里と外界を隔てる結界はゼファーの魔力のみで維持されており、イニスたちは結界の中でお互いの魔力を「疑似的な精霊」として放出し続けることで、自身らが存在するために必要な 精霊濃度 を維持している。そのため、放出する余剰な魔力を持たない個体や雑種は、里の寿命を縮める存在として疎まれている。