ティラルの《光の紋章》

《光の紋章》 は、 ティラル が母親である キシュル から受け継いだ先天的なものである。
ティラルがキシュルの胎内で双子の弟 ロザリオ の魂を取り込んだ際に「宿主の中に競合する異物が居る」ということを察知した 紋章 は、自らが生きるためにティラルの心臓にしがみつくように複雑に絡まった状態で根を張って寄生した。紋章がティラルの体に必要以上に強く干渉し結びついた結果、魔力の消耗が激しくなってしまい、紋章の維持に膨大な魔力を要するようになった。
 
また、《光の紋章》は、ティラルとナツキがファンザム帝国を脱する際に、致命傷として受けた2人の傷が同じ剣の一太刀から受けたものであることを利用して、ティラルを生かすために治癒と同時に《竜の紋章》の持ち主であるナツキの体にも干渉し、2人の紋章を《リンク》させた。
そのため、ティラルは常にナツキの《竜の紋章》から魔力を得ることが可能になっている。
 
紋章自体が癒しの能力を持つため、宿主であるティラルの怪我は瞬時に治り、病にもかかりにくい。
紋章の力を利用して他人を癒すことも可能だが、そのためには魔力を要し、術者の魔力を消耗させる。魔力が不足している場合は体力を代わりに消耗し、それでも足りない場合は寿命を削る。《リンク》のおかげで、ナツキがそばにいるときはナツキの紋章が魔力を補助している。
 
ティラルもナツキも紋章の扱い方について正しい知識がなかったため、紋章の能力を使っていない時ですら維持するだけで莫大な魔力が必要な状態になっていて、必要以上に消耗が激しかった。
しかし、ティラルは旅の中で出会ったクロノスから魔力の正しい扱い方を、ライカからは紋章の正しい扱い方をそれぞれ教え込まれた事でその負担は大幅に改善された。
15歳で成人を迎えるころには徐々に自身の魔力を安定させ、紋章を維持する分には申し分ない魔力を持つようになるが、それでも使役する時や負担がかかっている時は誰かに魔力を分けてもらう必要がある。