【イリザイト】別名:エルフ石、エルフの瞳
触れた生体の魔力を吸収する性質を持つ。比較的入手しやすい鉱石だが、魔力を持つ者以外には手に余るもののため、それ自体には大きな価値はない。硬度はそこまで高くないので加工しやすい。
イリザイトは本来透明な鉱石。
触れた者の魔力を吸い上げてエルフの虹彩の様に属性依存の色(炎=赤、水=青、風=紫、雷=黄)に染まる性質がある。炎・水・風・雷の四属性のみに反応して色を付けるため、透明を含めて5パターンに分類されるが、鉱石自体の純度や産地、対象者の魔力の性質や濃度によって色味には差が出る。
また、魔力を持たない者が触れても吸い上げる魔力が無いため、イリザイトは透明のままである。しかし魔力が全く無い場合、魔力の代わりに体力を吸う石もあるため、うかつに触れてはいけない。
魔力の吸収量は石によって異なるため、イリザイト専門の鑑定士による鑑定を経てその用途が定められ、個々の石の特性に合った適切な加工が施される。
《装飾品》 魔力吸収量:★☆☆☆☆
イリザイトは装着者の魔力を吸い上げることで独特の輝きを見せるため、魔力を持つ各国の王侯貴族は「魔力を持つ者の証」として装飾品に加工されたイリザイトを好んで身に着けている。
なお、装飾品として身に着けるイリザイトは、魔力の吸収量が非常に少ないものを使用する。(エーリエル諸島の耳飾りは、その中でも特に吸収量が少ない。)
稀に、鑑定士の鑑定を経ずに専門技師以外の手で作られた粗悪品も出回るため注意が必要。
《照明》 魔力吸収量:★★☆☆☆
吸い上げた魔力で強く発光する石もあるため、加工したうえで照明として活用する場合がある。
どの属性の魔力でも発光させることは可能だが、特に炎属性と雷属性の魔力は発光が起きやすい。
多くは広範囲を照らすものではなく、ランタンの代わりになる程度だが、複数を使用することで広間の照明や街灯代わりにもなる。
吸った魔力を消費し切れば灯りは消える。
《保温》 魔力吸収量:★★☆☆☆
炎属性の魔力を吸い上げることで湯たんぽやカイロ程度の熱を持たせることができるため、保温用品として活用することもある。
触れて火傷をするような温度にはならない。
原石でもわずかにこの効果を得ることは可能。(加工して効率を上げる)
《冷却》 魔力吸収量:★★☆☆☆
水属性の魔力を吸い上げることで冷却効果を得られる。
肌に触れて気持ちが良いと感じる程度の冷たさにしかならず、保冷材や氷のような効果は期待できない。
原石でもわずかにこの効果を得ることは可能。(加工して効率を上げる)
《魔力調整》 魔力吸収量:★☆☆☆☆~★★★★★
魔力の出力調整や、余剰な魔力を持つ者が魔漏を防ぐ手段の一つとして活用している。
魔力調整のための加工は難易度が高いため、高い技術を持つ専門の技師が加工をする。
原石でもこの効果を得ることは可能だが、非常に危険を伴うため推奨されていない。
※イリザイトには魔力増強の効果はない。魔力増強の効果を持つのは「魔力結晶」と呼ばれる全く別の石。
《拘束・拷問など》 魔力吸収量:★★★★★
高い魔力を持つ罪人や、敵国の捕虜などに対しては、魔力吸収量の多いイリザイトを使用した拘束具を装着させたり、大量のイリザイトが置かれた密室に監禁して魔力を枯渇させ無力化させる。
原石でもこの効果を得ることは可能だが、非常に危険を伴う。
また、イリザイトは生体の粘膜に触れると魔力の吸収量が数倍~数十倍に跳ね上がる性質をもつ。
これを利用して、猿轡として利用する、体に埋め込む、粉末状にして飲食物に混入させて与え続けるなどして対象者を故意に衰弱させることもある。
一瞬触れる程度では魔力はほとんど吸われないため、刃物などの武器の材料として使用される事はほとんどないが、返しの付いた矢じりや杭として使用されることはある。いずれも実戦向けとは言い難く、稀に拷問などに使用される程度。
他、様々な用途で活用されていいる。
※『MYTH』に登場する「謎石」は、大体このイリザイトを加工したものを指す。