ベルティナ家

主人公 ティラル の属する、 ヒト族 の家系。
 
ベルティナ家は代々「 《神》 の依り代の家系」として、 神話時代 の終わりから800余年その血統を守ってきた。
依り代の素質を持つ個体は「強い月光を浴びると虹彩が黄金色に変化する」という特徴を持ち、ベルティナ家はこの変化が現れる者を代々当主としてきた。
 
特別高い魔力を持たない家系だったこともあり、家柄としての力は弱く、「《神》の依り代の家系」であること自体を周囲からはただの妄言とされ、相手にされる事はなかった。
数百年前には グラフィエル教 を国教とする国々から「神への冒涜者」として ケモル荒野 の辺境に追いやられた過去を持つ。(それ以前はケモル荒野の比較的 ベラー王国 寄りの位置に領地を持っていた)
 
しかし、歴代のベルティナ家当主が月の朔望の影響を受けやすく、十数代に一人程度の頻度で「神と思われる何らかの意識」と交感できる者が現れていたのは事実である。
実際に《神》が降りたのは ファンザム帝国 の初代皇帝 オレグ が初めてで、以降、二代目皇帝 イグニス 、三代目皇帝 オリガ にも《神》が降りている。
オリガの嫡子であるティラルも依り代の素質を持っており、月のよく見える夜が苦手なため、平時は日没とともに眠る生活を送っている。
 
なお、初代皇帝オレグが《神》を降ろしてからは、「神降ろしの家系の血」を求める各国の優秀な血筋との交わりを経ることで、ベルティナ家はわずか数代で強い魔力の子孫を持つようになった。
「神と思われる何らかの意識」と交感できる当主が毎世代に生まれるようになったのは、この魔力の増加が原因のひとつだと言われている。