魔力は体力とは違い、器を超えても蓄積が続くため、本来であれば自身の貯蔵限界を超える前に適宜エネルギーとして放出する必要がある。
器からあふれた魔力の制御は非常に困難(ほぼ不可能)で、魔漏が始まると本人の周囲に広範囲に渡って魔力として感知できない歪み(Dot…継続ダメージ)が発生するようになり、範囲内に居る生体に不調(頭痛・耳鳴り・めまい・発熱・倦怠感などの症状が主)が起きるのが特徴。この時点で本人には何の影響もない。
やがて無意識下の魔力暴発による静電気の頻発、鎌風の発生や自然発火、心霊現象や超常現象などが起きる。
さらに魔漏の程度が深刻になると、本人の周囲の空間を歪め、生命が存在できない空間をつくるまでに至り、最終的には本人を爆心とする大爆発が起きる。
魔漏への対処が遅れたことが原因で起きるこれらの現象は、魔力に対する理解が浅く、魔力を持つ者の教育や管理が整っていなかったヒト時代の初期に多く発生しており、魔女狩りや悪魔狩りの原因のひとつがこれである。
ただしこれは魔力値C以上の者にのみ起きる現象であり、元々の魔力値が低い者は生涯この貯蔵枠を満たすことはない。
逆に、魔力値の高い者は蓄積速度が速いため、何らかの方法で頻繁に魔力を放出させる必要がある。( グラフィエル王国 の サマエル は異常に高い魔力を持ちながらも、幼さ故に自身で制御が出来ず、頻繁に軽度の魔漏を起こす。そのため、兄の クロノス が 守護者 として魔力管理を行っている)
紋章 を宿している者は紋章が宿主の魔力を喰らっているため、蓄積型の魔漏が起きることはない。
また、自然に蓄積される魔漏とは別に、
・過度な魔漏が起きている場所に踏み入ることで起きる二次的な魔漏
・別個体から許容量を超えた魔力を流し込まれることで発生する人為的な魔漏
・《神》など桁違いの魔力を持つ個体と接触することで起きる瞬発的な魔漏
なども存在する。
特に《神》との接触は程度によっては広範囲に魔力磁場が発生して、空間や生体に影響を与える。過去には ファンザム帝国 の オリガ に神が降りた際にファンザム帝国の帝都一帯の空間を歪めるほどの魔漏が起きている。
後に ロザル王国 を中心に《時》と呼ばれる史上最悪の大災厄(神災)が起きるが、それもこの「魔漏」のひとつの形である。