ヒト族

現在、 《星》 に最も多く存在する種族。
多くは特別な力を持たず、怪我や病にも弱く平均寿命は50歳程という短命種である。しかし力を持たないが故に賢く、順応能力と繁殖力が高い。
あらゆるヒト型種との子を成せるという特性を持っているが、多くの場合、 混血種 はどちらの種族にも受け入れられることはなく、迫害対象となる事が多い。唯一、 西の大陸アギエル王国 はヒト族と エルフ の混血種を国民として受け入れる体制が整っている。
 
ヒト族が《星》に生まれた当初、極一部の者には僅かながら 魔力 を持つ者がおり、長い年月をかけて魔力を持つ者同士が交わりを繰り返すことで徐々にその力を増大させていった。
やがて力を持つようになった者は国を築き、力を持たない者はそれに庇護を求め、彼らに従った。そうして生まれた人間の国の数は、最も多い時期には大小あわせて数百に渡ったといわれる。
のちに 《神》 が眠りにつくことで 精霊 の力が弱まるなどの劇的な環境変化が起き、精霊や魔力に依存する種族が軒並み滅びるか弱体化することで、《星》に生きる種族たちの力関係に変化が生じるが、生体の維持に魔力を必要としないヒト族はそのままの勢いで増え続け、やがて《星》の主導権を握ることなった。
 
元々繁殖力の高かったヒト族はその数が増えすぎ、ヒト族同士の戦争が頻発することで《星》の地図は幾度となく塗り替えられており、いまもなお日々変化し続けている。
 
神話時代 から現在に至るまで継続して存在しているヒト族による国は、今は ファンザム帝国 の属国となっているかつての大国「 ヘカドス王国 」、 の蹂躙に耐え続けた「 ファバス王国 」、 西の大陸 の中部を治め異種族との共存を成し得ている賢王の国「 クネ王国 」、独自の神を崇拝し広大な砂漠を統べる「 イアー王国 」、 東の大陸 のほぼ全土に対して強い影響力を持つ「 アトラス聖王国 」のみである。
東西の代表的な宗教の国であるグラフィエル王国とロザル王国は、意外にもヒト時代が訪れてから建った国である。
 
ヒト族に関する記録・記述が《星》に存在するようになったのは神話時代後期からのことであり、進化の過程も全く不明であるため、神話時代中期までは存在しなかった種族だったのではないかという説がある。
一説によると、神話時代の後期、闇と終焉の神「 パウ・ファンザム 」と光と誕生の神「 ラニ・アンシャル 」の妹である輪廻神「 ホク・カルマ 」が呪われた輪廻から解き放たれ《星の欠片》となって地上に降り注ぎ、その欠片から生まれた種族がヒト族だとされているが、その真意の程は不明である。