地方や国によってある程度の傾向はあるものの、規則性はない。ただし、一部の王族や特殊な一族では規則性が見られるものもある。
■ ファバス王国 の場合
名前に「ファ(Fa/Pha)」という音を使用することが許されているのは王族のみであり、その身に王族の血が流れていない者は「ファ」の音を名前に使用する事が許されない。
神話時代 にはこのような決まりごとはなかったが、 竜 に蹂躙され続けてきた神話時代から ヒト時代 へと移り変わる混沌期に活躍した王「竜狩りの英雄ファルロ」への神聖視が起源とされている。
「ファ」の音を持つ他国の者は、ファバス王国内では偽名を使い、他国から移住してくる場合は改名が必要である。
■ ゼラー王国 の場合
ゼラ王国ー自体には命名規則はないものの、貴族以上の身分を持つ者の間では「マ行」で始まる名前が高貴な女性名とされており、「ア行」で始まる名前は男性名とされている。
(女王の嫡女であるアマティスタは生まれつき体が弱かったため、国の跡継ぎの女性であることを神の眼から逃がすため(※女尊の国であるゼラー王国にとっては女性の方が価値があり、価値のある女児が神に連れ去られてしまわないようにという意図)にわざと男性名を付けられている。)
命名規則ではないが、ゼラー王国の王族の名の呼び方には珍しい特徴がある。
ゼラーの王族は、他者にはファーストネームを愛称(短縮形)に置換したフルネームで呼ばせ、身内や本人が許した親しい者のみが本来のファーストネーム(正式名)のみで呼ぶ権利を得る。
また、親しい者であれば愛称単体で呼ぶことが許されることもある。この「愛称単体呼び」の場合のみ、愛称が複数パターン存在する。(例:アマティスタの愛称は「アミィ」が使われることが多いが、パミエル国王のクウラは男性名であるア始まりの名前を気にしているアマティスタを気遣って「ティシー」と呼んでいる。)
例:
「 マグニティス ・メル・ゼラー」は、王族や本人が特別に許可した者からは「マグニティス」と呼ばれ、親しい者であれば「マグ様」、それ以外からは「マグ・メル・ゼラー様」と呼ばれる。
フルネーム | 王族、特別な許可 を得た者から |
その他の者から |
マグニティス ・メル・ゼラー | マグニティス | マグ・メル・ゼラー |
マーガレット ・メル・ゼラー | マーガレット | メグ・メル・ゼラー |
アマティスタ ・メル・ゼラー | アマティスタ | アミィ・メル・ゼラー |
マルフィール ・メル・ゼラー | マルフィール | マリー・メル・ゼラー |
アイゼン ・ギム・ゼラー | アイゼン | イズ・ギム・ゼラー |
マグノリア ・メル・ゼラー | マグノリア | マグ・メル・ゼラー |
アーリック ・ロン・ゼラー | アーリック | ウル・ロン・ゼラー |
ミーガン ・メル・ゼラー | ミーガン | メグ・メル・ゼラー |
ミランダ ・メル・ゼラー | ミランダ | ミラ・メル・ゼラー |
エヴァレット ・ザラ・ゼラー | エヴァレット | イヴ・ザラ・ゼラー |
オーレン ・ザラ・ゼラー | オーレン | オーリー・ザラ・ゼラー |
など |
■ ワスボガ の場合
全ての国民は彼らが信仰する ワスボ神 の子とされていることから「ワス」という名を持ち、フルネームは「ワス・○・○○○」という形になる。
左が神の子孫の証としての名(ワス)、真ん中が部族名(一字)、最後が個人を表す名にあたる。
…他にも特徴的な命名規則を持った国や部族が多々存在する。
《 エルフ 》
厳格に定められているわけではないが、ファーストネームは「~u(母音)」の形式が多い。(シャルク、パルス、エルサルム)
最後の一字の母音がuなのは、それが 精霊 が好む音の響きとされているため。
ファミリーネームは集落の名前を使う。
ヒト時代のエルフは行動可能範囲が狭まったことで他の集落との縄張りが被ることがなくなり交流自体がなくなったため、ファミリーネームを名乗ることはほぼ無い。
《 ニュート 》
全てのニュートの名前は「○・○・ル」の3音で構成される。
オスの個体は「ラを含む名+all、oll」の名前を持ち( ラタル 、 ティラル )、メスの個体は「シを含む名+ill、ull」の名前を持つ。( キシュル 、 シビル )。ニュートに○ellという名はない。
また、ファーストネームしか持たず、異種族からは「ニュート・○○○」と呼ばれる。
《 イニス 》
「鳥種名・ファーストネーム」の形がフルネームで、基本的には鳥種名の方で呼ばれる。ファーストネームで呼び合うのは鳥種が同じ者同士だけ。
雑種はファーストネームにイニスの忌音「~imm」(忌む)が強制的につけられる。( ツグミ =カイム、 ルリ =ライム)※ライムは元々ラピスという名であったが、雑種である事が判明した際に名を書き換えられた。
なお、親が不明の雑種はファーストネームしか持たない。
《 竜族 》
竜族同士やヒト族との子の場合は特徴的な句規則はないが、母体が竜の場合は母体の名前がそのままミドルネームとして付く。ファーストネームは親竜の名の系統に寄せて付けられる。