昼夜の寒暖差や砂塵から身を守るために、人々は入り組んだ地下洞窟や土と岩で造られた分厚い壁の家に住む。そのため、国外の者にはその棲家を見つけることは容易ではない。
王は王の上にイアー王国独自の《絶対神》を置き、その神の言霊を聞き伝える 巫女 が国の頂点に立つ。また、王の下にはそれぞれに特性を持つ4部族が共存している。
イアー王国の4つの部族
イアー王国では、4つの部族が維持・繁栄に必要な役割を個々に担っている。
《賢焔のフンク族》
神事の取りまとめと、王族の護衛・王宮の警備・侵入者の排除を担う。
《武剣のエギル族》
湾曲剣・双刀を使用する、剣士と暗殺者の一族。毒の耐性がある。王都の警備、周辺諸国の情報収集を担う。
《技芸のオド族》
イアーに最も多い種族で、非戦闘民。職人や商人として国を維持する。貿易・交易・物流・水と食料の確保・調理・生産など、多岐に渡る。鍛冶や彫金・皮細工・裁縫、音楽・芸術に長けている者や、吟遊詩人として世界各地を旅する者も居る。
《流浪のダグ族》
不規則に移動するオアシスと共に、砂漠の中で移住を繰り返す遊牧民。王都や主立った街以外の村落の情報を収集し、不定期で王都に持ち帰る。また、オド族の旅の護衛を担う事もある。
ちなみに、 シャムシール たち イザヤ家 の祖先はこのイアー王国のエギル族で、外見には今もその特徴を残している。