刻印

東の大陸 のみに存在する、「王の証」と呼ばれる特殊な属性術式を施した魔力結晶。
人工的に体に埋め込む(捺す)ことで魔力結晶自体を全身に浸透させ、その魔力結晶の持つ属性の加護を身に受けるというもの。紋章とは違い、意思を持たない「物」であり、固有魔法を使えるという事もない。
東の大陸では、王位継承権第一位の王族が成人の儀式で《刻印》をその身に受ける決まりがあり、そのため《刻印》は「王の証」と呼ばれている。
 
戦争やニュートの呪い等で失われた《刻印》もあるが、全ての《刻印》のスペアを アトラス聖王国 が厳重に保管・管理している。
また、《刻印》を生体に埋め込んだり、生体の属性バランスを調整するなどの高度な技術を持っているのはアトラス聖王国の 刻印術師 のみであることから、代々《刻印》を捺している東の大陸の諸国はアトラス聖王国の干渉から逃れる事が出来ず、ある種の属国扱いを受け入れる他にない。

《刻印問題》
刻印を捺された者が子を成すと、その子に流れる血にも刻印の属性の影響が出るため、直近の子孫には親と違う属性の刻印は捺してはならないという決まりがある。
片親だけが刻印を捺されていれば同じ刻印を捺す事が出来る。しかし、《Aの刻印》を捺されている父親と《Bの刻印》を捺されている母親を持つ子にはAとBの刻印の影響を受けた血が流れているため、どちらの刻印も捺すことができない体になる。複数の刻印の影響を受けている人間が万一何かしらの刻印を捺された場合、血が刻印に対して拒絶反応を起こし、最悪の場合死に至る。(一世代跨げば問題ないとされている)
ヒト時代の初期には刻印の継承に関して明確なルールがなかったためこの《刻印問題》がたびたび起きていたが、近年では《国》と《刻印》のあり方が安定してきている事もあり、国王の嫡子が親と別の刻印を捺すことがなくなっていたため、 クウラ のような問題は久しく起きていなかった。