ナツキの《竜の紋章》

の認めた 竜族 の《王》のみが宿す唯一無二の 紋章《星》 に存在する紋章の中では他の追随を許さない絶対的な力を持ち、「一晩で国ひとつを滅ぼす事ができる」「神に匹敵する能力を持つ」と言われている。
竜の紋章は竜の力を宿主自身が使役するものではなく、竜の住処(竜が住む空間)と《星》とを繋げる扉であり、すべての竜を召喚することができる。しかし扉の向こうの竜たちが呼びかけに応じるか否かは宿主に対する忠誠心や信頼にかかっている。そのため、この紋章を自在に扱えるのは、 神話時代 の終わりに初めて竜と契約を交わしたとされる 《初代竜王》 の記憶と因子を持つ直系の竜族(片親が竜)だけだと言われている。この紋章に限って言えば、紋章の維持に必要なのは魔力ではなく竜の信頼と寵愛である。
 
元の宿主が死亡した場合は、竜が次の宿主として認めた者の元に 《ドラコニス》 と呼ばれる子竜が現れ、子竜の成長と共に竜の紋章が現れ、それを受け継ぐ仕組みになっている。
 
安定した王位継承のために元の宿主が存命の内に新たな竜族へと紋章を譲渡する場合、3回に渡る双方の合意とドラコニスの承認があって初めて譲渡が成立する。ドラコニスは3回目の合意によって成体に変化し、宿主の最初の召喚竜として「竜の紋章=扉」を開け、竜たちの住まう空間への《道》を創る。
この人為的な譲渡には半年~3年ほど(子竜の成長具合による)の長い時間がかかる。譲渡の後、元の宿主は竜の加護を失い、ほどなくして命を落とすとされている。
それを回避するためには、体から竜の体液を全て抜かなければならない。約10年間一切竜の体液を摂取しなければ体をめぐる竜の血はほぼ完全に消え、肉体が人間とほとんど変わらなくなるため、死を回避できると言われている(譲渡する側は紋章を失うことで急速に竜の力を失って衰弱&体の変化に耐えられずに命を落とすので、あらかじめ竜の体液の摂取をやめて徐々に竜の力を失っていくことでそれを回避するという考え)。ただしこの方法は確実とは言えず、多くの竜王たちは紋章の譲渡後、命を落としていった。